1 切手にまつわる思い出

 切手収集をはじめて60年になる。主として日本切手である。昭和39年の東京オリンピックの寄付金付切手が地方少年に火をつけた。

 当時は、小遣いがなく、切手を買うということは少年たちの憧れの趣味であった。1日のお小遣いが10円の時代に、郵便切手は官製はがきは5円、封書の切手代は10円の時代であった。10円の切手を買うということは毎日のおやつを節約しなければならないことになる。なかなか厳しいことであった。収集歴はかなり長いので、意識はしていなかったが、その場その場でテーマを決めて集めてきたようである。

1 東京オリンピック関連の寄付金付記念切手(1963年、4年)

  当時の日本はまさに敗戦から立ち上がろうとしていた時に、東京オリンピックを誘致した。その資金のない中であったので、切手にも寄付金集めという目的があった。この切手を購入するため、祖母、兄と3人で福岡中央郵便局(天神)に行き、大変な行列に並んで購入した。