速報版 介護休業法の手引

 介護休業制度の導入については、平成4年頃から労働省において真摯な法的制度の整備のための努力がなされて、平成4年7月に「介護休業制度等に関するガイドライン」が策定されました。しかし、その後は、育児休業の定着の低迷及びいわゆるバブル経済の破綻による極度の景気の低迷等の理由から介護休業の法制化が遅れてきました。 その間、一般職の国家公務員については、「一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律」の一部改正という形で平成6年9月1日より介護休暇制度が施行されているところです。そこで、今回、育児休業等に関する法律を改正する形で介護休業が法制化されることになりました。

 介護休業制度の内容は後述するとおりですが、今回の改正された法律の意義は、単に介護休業制度の新設のみではなく、従前の育児休業制度の適用の拡大に伴い、育児休業制度の普及を目的としている点です。 即ち、育児休業等に関する法律は平成4年4月1日より施行されていますが、30人以下の事業場では適用が3年間猶予されていたのです。したがって、30人以下の規模の事業場では、平成7年4月1日から育児休業制度の適用を受けることになっています。ということは、就業規則を初めとする会社の規則の改正が必要となる会社が多いものと思われるのです。

  本書は、法制化された介護休業制度の内容についての概要について説明するとともに、適用が拡大された育児休業制度についても法的諸問題の説明を、就業規則の規定例を示したうえで行おうといものです。 なお、介護休業制度は、未だに政省令などが制定されていないこともああり、必ずしも明確になっていない部分も多いのですが、政省令が明らかにされるに従い、本書もその都度改正をしていきたいと考えております。 なお、介護休業制度の具体的な法律問題については、未だ不明の点もありますが、おおむね育児休業の問題と一致するものと思います。したがって、法律問題については育児休業について記述している部分を参考にしてください。

書誌情報

発行年月日1995/7/7
著者外井浩志
出版社