改訂 基礎から学ぶ実践労働法

 労働新聞社のご厚意で、今回5年ぶりに本書を見直すことになったが、実際考えていたよりも遥かに重い作業となった。とにかく、この数年の労働問題・労働法の改正点、変更が多い。時代の趨勢とはいえ、労働問題に対する認識の重要性は益々高まってくるであろう。
 私たち、労働問題、労働法に携わっている実務家からすれば、ようやく地味な仕事から日の目を見る仕事になってきたということであろうか。 とにかく、労働問題は一旦こじれると解決まで長時間かかることが多く、また、労使ともにかなりエキサイトしてなかなか冷静になれないことがあり、必要以上にエネルギーをしょうひしてしまうことが多い。スパッと割り切れない面が多く、そのためになかなか決断がつかないという面もある。その意味では意地と悩みが凝縮されており、極めて人間的な問題であり、そこに労働問題に携わる実務家の悩みもあればおもしろさもある。
 今後とも、労働問題・労働法が社会の中核として位置づけられ続けることを期待するとともに、労働問題・労働法を理解するために本書が少しでも活用されれば幸甚である。

書誌情報

発行年月日2008/10/17
著者外井浩志
出版社労働新聞社